『道をひらく』 を発行して10年、その後、 『PHP』 誌の裏表紙に連載された言葉から116 編を選んでまとめた人生の書。

まえがき

 月刊誌「PHP」の裏表紙に毎号掲載してきた短文をまとめ「PHP道をひらく」として上梓してから十年近くになる。その間多くの方のご愛読を得て、三五〇万部という思いの外の部数に達し、続編をというご要望も多数いただいてきた。このほど、ある程度の編数がたまったので、一一六編を選んでまとめたものが本書である。折おりの感懐をそのまま綴ったものであるが、おのずとこの十年の日本の世情を反映して、日本と日本人の将来に対する私の思いをあらわしたものになっている。前著同様ご高覧賜われば幸いである。
  

昭和五十二年十二月
松下幸之助

  • 目次












睦 月
 心に期す10
 この日この朝12
 フシの自覚14
 心の力16
 完全無欠18
 天与の妙味20
 くらべる22
 初心24
 美しい日本26
如 月
 冬の夜30
 今からでも32
 古仏34
 徹底的に36
 半鐘が鳴れば38
 仰ぎ見給え40
 出処進退42
 冬の陽光44
彌 生
 春がきた48
 春雷50
 すずしい眼52
 当然のこと54
 積極主義56
 無限の宝庫58
 さくら60
 春の海62
 甘える64
 浩然と歩む66
卯 月
 素直な門出70
 激動72
 まだまだ74
 花ひらく76
 訴える78
 雨の音80
 袖ふれ合うも82
 愚直の人84
 池の音86
 心をひらく88
 感謝する90
皐 月
 若鳥よ94
 知恵は無限96
 次善の策98
 敵ながら100
 定めなき日々に102
 いそげ104
 妙なもので106
 転機108
 自分は自分110
 あやまる112
水無月
 降らば降れ116
 熱心であること118
 三日の手伝い120
 格の上げ下げ122
 素人と玄人124
 この時に幸あれ126
 のりうつる128
 仕事の人気130
文 月
 夏134
 雲136
 冷静の美徳138
 夏の嵐140
 事あるたびに142
 もがく144
 鐘が鳴って146
葉 月
 汗150
 押しやる152
 悲観・楽観154
 成るものは156
 自分で払う158
 しばし待て160
 たしかめる162
 耳を傾ける164
 何が起こるか166
 心あらば168
長 月
 こんにちは172
 鈴をふる174
 思いやる心176
 心静かに178
 馬の目かくし180
 責める182
 静夜184
 様相不変186
 自分と他人188
 自然の声190
 まず奉仕せよ192
 このめでたさ194
神無月
 柿の実198
 りくつ200
 軽々しくは202
 すぎる204
 人類の経営206
 かわりはない208
 寄りそう210
 みんないっしょ212
 自分のもの214
 人心の深淵216
霜 月
 もったいない220
 国医222
 暖衣飽食224
 警鐘226
 誰が228
 大らかに230
 どこかで232
 自明の理234
 国運236
師 走
 年の暮れ240
 未練242
 この子らと244
 成功の連続246
 心のぬくもり248
 自己反省250
 脚下照顧252
 世の中254
 ほんとうに256
 刻一刻258
 対処の道260
 新たな時代262